2008年07月11日

水底から浮かびあがる泡のよう

 それを考えてみたとしても、なにか良いことが起こるということはないのだ。だのに、人はどうして思うのだろう。愛というものについて。
 愛とはなんだろう。私の人生のうちに、その問いや、答えや、それともそのものが、幾度も現れたという気がする。そしてそれはいつも、音無く水底から浮かびあがる泡のようだった。
 愛とはなにか。問いとともに、幾つもの答えが水底からあらわれる。そして水面近くで、季節に沿って光をかえし、消える。手のひらに残るのは、ただ気配だけだ。愛というものに触れようとした、熱を持つ、その。
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2006年12月30日

一拍

白か黒か、出来るだけ早く見極め、決めてしまいたい。そういう"若さ"から、私は離れてしまったようだ。気付けば全ての物事に、一拍おいてから反応するようになっている。それは意識的にも、無意識的にもだ。結果、取りこぼすものも多く出来たが、それはそれでよい。◆白か黒かそれとも灰色か。それを時が教えてくれる。私は待つようになった。◆水は高きから低きへと、もっとも相応しい良い場所へ、流れていく。その場所に沁み、そしてまたどこかへと行くのだ。姿を変え、呼ばれる場所へと。◆私は待つようになった。私は待つことに慣れた。
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2006年06月29日

川沿いを歩く

 愛の言葉が、ひとの心を深く傷付けることもある。夏の日のたそがれに、川沿いの道をひとり歩くとき、そんなことをよく考えている。川面には色を変えてゆく雲が映り、その間を、つがいの鴨が静かに流れている。風が草木を揺らし、葉擦れの音がした。風は私をも包み、私は立ち止まり、遠くを眺める。遠いところ、川の源流を。空の果てを。
 沈黙することが、愛であったのだ。川沿いの道をひとり、そんなことを思いはじめる頃、川面には街の夜の灯りが映っている。風に吹かれ、空を仰ぐ。私は帰路につく。
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2005年12月23日

抱きとめてくれるのは誰

 私もまた、一つの地上の星なのだが、かすかに揺れて光るのは、いつか誰かに見つけてもらうためだろうか。
 私の心を、抱きとめてくれるのは誰。
 それとも、闇空にある星のように、何もかもからはるか遠くに、さみしく光るばかりだろうか。
 私もまた、ひとりで。

 虚空へと放つ想いが空にとどまり、光って揺れる。
 風がやさしく運んだ雲が時折光を隠すけど、それはあなたの空にも光っているのだ。
 そしてそれは、ひそやかな私の想い、私のたましいのようなもの。
 いつか見つけ、抱きとめてくれるのは誰。
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2005年07月09日

バス停で

 どしゃぶりの雨のバス停で、雷の光を見上げていた。
 雨の激しさに傘はふるえ、雨もりさえして、私は指を濡らしていた。

 長い日々を、ふと振り返ろうとして、泣きたいような気持ちになっていた。
 すべてを持ってる。いや何一つ、この手にはしていない。
 涙は、何を想っての涙なのだろう。
 私は、よくわからない。

 バスが来た。
 うつ向いて、傘で顔を隠して、一本、やりすごした。
 ジーンズの裾が、水を随分、吸い上げていた。
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2005年03月29日

春の空の少女に

かなしみを抱え、途方に暮れて立っている。そんな女の子が、この春の空の下の、何処かにいるなら、私は彼女のことをほんの少し理解できる。★こんな時、かなしみを、悪いものだと決めつけられたら、彼女は立っていられない。涙でさえもまた、自分が自分であるための、大切なものなのだと、瞳をぎゅっと閉じるだろう。★心を持つもの。生を生きるもの。そのすべてを掬いあげる、広くて大きなものがあるとして、それを詩と呼ぶなら、私は詩を追おう。彼女の心にやさしく響く、未だ書かれぬ詩があるなら、それを書くのは、きっと私だろう。
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2005年01月28日

夢を見た

心は凪の海だが、空は灰色。雲も雨も好きなのだが、凍える寒さは少し苦手。★「やあ、よく来たね」と言う。「元気だった?」と言う。にこにこしている彼の顔を、私はまぶしく見上げている。「まだご飯、食べてないでしょ」 彼が私の顔を見ている。私はただ、うん、うん、とうなずいている。うれしくってしょうがなくて、声が出ない……。★夢を見た。逢いたい人に逢える夢。うたたねをして。★法事に出席するために、そして祖母の見舞いに行くために、再びの旅の途中。高速バスの窓の外は、まぶしい景色。いつのまにか空は、晴れたのらしい。
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2005年01月12日

四国へ

帰路の旅の、途中に寄り道。四国へ渡った。★車で高知へ向かううちに、嬉しい気持ちになっている自分に気付いた。四国を歩いて旅したのは、実感とは離れた、一昨年のこと。ささやかな雑多な毎日毎日が、確かに時を刻んでいたのだと、全て過ぎてしまってから知るものだ。★標識や地図に覚えのある地名を見るたびに、何だか嬉しい。様々な景色、様々な心象風景が、蘇り、心に映る。★国分寺、白峯寺、根香寺。屋島寺。すぐ側を車で通りすぎる時、密かに感慨深かった。"郷愁"というものに、近いかもしれないな、と考えた。
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2004年12月20日

ただの、馬鹿な女

良い女だなぁと言われたことがあるが、悪い女だとも言われたことがある。要は、ただの女だ、ということなのだろう。◆何をもって私を"良い女"などと、一体なんの勘違いなのだろう。嬉しく思う気持ちはあるが、居心地は良くない。◆"悪い女"、それは、少しだけわかる。彼の言葉、その声の奥には"想い"があったのだとわかっている。私への信頼があり、甘えがある。媚びがある。恋情がある。◆ちゃんと、わかっていたのだ。だけども、悪い女だと言われた時、私は悲しかった。私は、良い女で、悪い女の、ただの、そして馬鹿な女なのだ。
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2004年09月17日

空がある

誰のもとにも届けられない想いを抱き、ひとり胸を焦がす時。夢中や熱中が解け、ふと我に帰るように、かなしみに気付く時。自らを、慰め満たす楽器がなく、さみしさにつぶされそうな時。その時、わたしは、すべてのものを、すべてのしがらみを、手からぽとりと落とし、天を仰ぐ。たとえそこが、自室のパソコンの前であっても、町の図書館の座席の片隅でも、居酒屋の手洗い場でも、遠出から帰る揺れる車中であっても。わたしは天を仰ぐ。その時、わたしの瞳には、おそらく空が見えている。わたしの心の中に、見上げる大きな空がある。
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2004年07月23日

わたしの短冊

もうかぞくがきえませんように どうかおねがいします ★明らかに子供の字。そして署名を見れば、女の子のよう。★これは何かというと、七夕の笹に揺れていた、ある短冊のことば。★わたしの入院生活ももう一ヶ月で、もうすぐ退院。とある総合病院の中、七夕の笹のある外来正面玄関まで、うちわを持って散歩に行く。★いつかの時代、どこかのまちで、いついつでも、ひっそりと、誰かの想いが風で揺れる。誰かの祈りが、そっとまたたき、揺れて消える。★わたしたちは、どこから来て、どこへ行くんだろうね。 ★あなたが今、静かにほほえんでいますように。★
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2004年07月07日

tanabata

私は星が好きだ。★毎年、七夕には、おり姫とひこ星の二人を想い、夜星を仰ぐ。たとえ曇り空でも、その向こうには天の川がながれているはずで、それでもやはり一瞬でも空が晴れて、星が見えたらいいなぁと。もしも晴れて、月も星も見える夜なら、空をとび、ほんの少し天の川のほとりに、近付けたらいいなぁと。そう夢想して、ひとり酒をのむ。★今年は体調を崩した。入院をしているので、酒は無理だった。そして夜はずっと曇り空で、星を見ることはなかった。★どこかにいる あなたの想いが 誰かのもとへ 届きますように★
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2004年05月31日

遠くへ。

梅雨に入った。今日は雨の一日だった。★雨の音は好きだ。特に、激しい雨の音が。私を静かな気持ちにさせる。激しい雨は音だけでなく、その光景もまた静けさをくれる。★水は、人の心に沿うのかもしれない。少なくとも、私にはそうだ。海の波も、川の様子も、心をしんと静かにさせ、そして遥か遠くへと向かわせる。★遠くへ。書きながら、それは何だろうと考えて、原罪、ではなく、原悲だと思った。かなしいな。水の流れの向こうに、雨の音の向こうには、生(せい)のかなしさがある。★雨の一日。かなしさを想うことが、たぶん私は好きだ。
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2004年05月04日

他愛のない話

占いやおみくじが好きだ。何かの縁で、ふとした偶然で、そこにある言葉に出会う。そして、少し心を通わせる。そこがおもしろい。出会いのおもしろさだと思う。無理に聞かされる言葉ではなく、自由に立ち去れる場所にある、というのも良い。悪いことが書いてあっても、言葉からの距離があるため、気にする程はない。戒めの言葉も、素直に受け取れる。良いことが書いてあれば、ちっちゃなお世辞を言われた時のような、微かな嬉しさがある。それは一瞬のものだが、しかしそれ故の気楽さがある。他愛のない、可愛らしい暇つぶしだ。
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雨の夜

こんなざんざぶりの雨の日に、逢いに行った人がいる。サンダルは滴をとばし、裾はびしょぬれで、決して軽くない小さくもない荷物を持って、彼(か)の人の家に向かった。かすんだ景色の向こうに、海が見えていた。ざんざぶりの雨のなかで、たどり着きたい場所があること、逢いたい人がいることが、うれしかった。今日の雨は、あの日のような雨だ。はげしい雨音、かすむ道。今以外のものは見えなくても、不安にかすかにふるえていても、その人に逢えたことが、うれしくてしようがなかった、あの日と同じ、ざんざぶりの雨の夜だ。
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2003年11月30日

また旅をするんだ

二ヶ月間の旅を経て、仮住いだった場所へと戻ったのだけれども、また旅に出ることになった。今度は一ヶ月。一年のうちの三ヶ月を旅に費やすというのは、なかなかに大変なことだ。こういう未来を、二十歳台前半の自分は、まるで信じていなかった。◆他人からタフだねぇ元気だねぇと言われる度にわたしは主張したくなる。過去の丸四年、わたしは体調を良く保てなくて、ずっと家でふせっていたんですよ。◆心だけでそう言い、わたしはただ頬笑む。自分の生命力に想いをはせている。◆また旅をするんだ。孤独と自由をかみしめるために。
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2003年05月21日

誰かを想うことから

思えば何一つとして、わかることなどないんだという気がする。★「好き」という気持ちが好きだ。誰かを想う時の、あたたかさが好きだ。それはもう本当に好き。だけどその「好き」というのは何なのだろう。ああ、あの人が大好き。それはなんだろう。★解明できなくたって構わないのだけれども、だけど、誰かを好きと思う気持ちが、自分や相手や、誰かの心を苦しくさせてしまったとしたら? からだ中で好きで、想う気持ちを打ち消せないとしたら?★心豊かなままにして、そこから抜け出すテクニックがあるのだとしたら、知りたい。★
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2003年05月01日

望むもの

好きなものだけに囲まれているのに、寂しいのは何故なのだろう。★桜が咲き始めた。今夜は満月で、夜桜は手に届きそう。★かわいいな。触りたくなる。花は好き。桜も好き。うす桃色は好きだ。ほんの少し、うっとりとしてしまう。★そしてわたしは、夜が好きだ。静けさの増す夜に浮く、月も、星も好き。★仕事を終え、カツカツ踵鳴らし、桜と月と星と闇とを、わたしは歩く。★もしかしたら寂しさもまた、わたしの望むものなのだろうか。★好きなものに囲まれて、夜空見上げて、風に揺れて、届かぬ桜に手を伸ばし、わたしは、寂しい。
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2003年04月06日

知っちゃいないが

愛のことなど知っちゃいない。だが、言葉にしたことはある。◆自分自身が、とんでもなく傷付いていた時だった。そして悲しみを背負っていた時だった。誰かのことを大切に思っていた。自分ではない誰かが、悲しまないこと、傷付かないこと、うれしく思ってほほえんでくれることを、わたしは想っていた。自分が傷付くこと悲しむこと恥をかくことは、どうでもよかった。相手のことを、たぶん自分よりも、大切にしたかった。◆それに気付いた時、わたしは傷付き青ざめていたのだけれども、言葉にしてしまった。◆あなたを愛しています。
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わたしをてらす

文芸を志してた。文章を書く、言葉を綴るということに、いつしか夢中になっていた。★自らの快と不快を、いつも追究してた。他者との距離について、いつも考えてた。苦しまないテクニックを、わたしは探していた。★小説には、詩には、救いがなくてはならないんだと思い始めた。祈りがなくてはならないと思った。自分が読みたいものが、そういうものになった。読みたいものを書きたい。わたしは道を探しあててしまった。★読みたいものを書いて、誰かに、わたしの分身に、お裾分けがしたい。その想いが、今のわたしを、てらす光だ。
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