2005年07月08日

#04 願い事

 ひらひら、とんでいました。わたしは一匹のちょうちょでした。
 さわさわ、どこかから音がするので、わたしは風にときおり押されながら、その音がする方へと、とんでいました。

 ちいさな町で、さわさわ、揺れていたのは笹の葉でした。色とりどりの紙の飾りが、一緒に風に揺れていました。
 ひらひら、わたしはとびました。幾枚もの短冊が、瞬いている星のように、風にゆらめくのを見ていました。

 その時、一枚の短冊が、わたしのために、用意されているのを知りました。
 短冊をどうぞ、と。風の精なのでしょうか。ちょうちょのわたしに、ちいさな一枚の短冊を、渡してくれるのです。

 どうしていいのかわからなくなって、ひらひら、わたしは浮かんだままで、笹の葉のほうを見ました。
 すると、笹の葉は、さわさわさわ、と揺れました。
 わたしは、心のなかに、願い事をかきます。
 わたしがそう言うと、笹の葉は再び、さわさわさわ、と揺れました。  
 風がふいて、今度はわたしも、ひらひらひら、と。とんで、そう応えました。
posted by bkntmrg at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | scene | 更新情報をチェックする
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