2004年12月25日

贈り物の朝

 靴下だって置いてはいなかったのに、ふと酔いから醒めると、目の前に、贈り物があったのだ。
 それは小さな鍵だった。なんでもない、どこにでもありそうな……。だけども、わかっていた。見えない小さなリボンがついていた。
 靴下に入っていたわけじゃない。だけども、わかったのだ。それは確かに、わたしへの、贈り物なのだ。

 開けることの出来る、扉をひとつ、わたしは貰った。心地よい響きの、ささやかな未来をひらく扉。それは、わたしのこれまでをも、包んでは、心地よく共に鳴らすのだ。

  ★

 「誰かとの、それとも何かとの出逢いが、いつだって人生の鍵になる」
 そう言ったのは、わたしの大好きな人で、以来、このことを自分の言葉のようにして、大事に持ち歩いている。

 人の世に存在するものが、良い出逢いばかりではないことを、わたしは知っているし、そして、悪い出逢いばかりでもないことも、今のわたしは知っている。
 開けてみなくてはわからない、まだ開けていない扉が、この先にもたくさんあって。
 そのことを、こわいと思っている思春期の女の子のわたしもいれば、未知の出逢いをそっと想っては、ひとり穏やかに楽しむ、三十歳ののわたしもいる。

  ★

 この何日かは、いつか誰かに貰った鍵を、どこへ行くときもポケットに入れて、たまにそっと手で撫でてみては、しあわせな気分でいる。

 昨日と同じ今日が、同じままで、心地よい響きのものに変わる。
 靴下なんて、用意していなかった大人のわたしに、ある朝、贈り物があったのだ。それは小さな鍵で、開いた扉は心地よい響きで、わたしのこれまでをも、あたたかく、共に鳴らしているのだ。





 クリスマスの朝、Haruさんのtonetalkのエントリ、「クリスマス・イブ!」を読んで、この文章を書きたくなりました。
 何だか贈り物をもらったような、そんな気がして。勝手にうれしくなってしまったエントリでした。

 「さむがりやのサンタ」という絵本が紹介されています。欲しくなってしまい、amazonで注文をしました。
 わたしの中にいる女の子のわたしと、そして実年齢のわたしと、おそらくどちらも楽しめる本ではないかなぁ。思わずにこにこして、届くのを待っているわたしでした。
posted by bkntmrg at 18:16| Comment(2) | TrackBack(1) | つぶやき | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBいただき、ありがとうございます。
しかも、僕のBlogをこんな素敵な文章とともに、紹介していただいたなんて。
身に余るしあわせです。
「さむがりやのサンタ」、ホントにお勧めです。シニカルだけど、きっと読み終わった後には、暖かい気持ちになっていると思います。
クリスマスの朝って、いくつになっても神秘的ですよね。贈り物って、目に見えなくても確かにこの両手に受け取っている、そんな気持ちになる朝です。
同時に、最近人は出会うべくして出逢う、と思うようになりました。
この出会いを大切に、これからもよろしくお願いいたします。
Posted by H at 2004年12月30日 01:00
大文字HのHaruさん、こんにちは。
トラックバックははじめてで、Pingを二度も送信してしまったりして、少しご迷惑をおかけしました。

この「贈り物の朝」を、Haruさんが気に入って下さったのだとしたら、わたしはとてもうれしいです。しあわせな気持ちです。

こちらこそ、これからも、どうぞよろしくお願い致します。
Haruさんのblog、tonetalkの、工事中のページの完成を、わたし、楽しみにしています。急かしているみたいだと悪いので……。ぼんやりと、楽しみに待ってます。(^-^*)

では。
Posted by bkntmrg at 2004年12月30日 12:42
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Excerpt: いよいよ子ども達が楽しみにしていたクリスマス・イブがやってきた。 昨日から体調を崩していた長男は、今日は朝から元気に学校に行き、子ども会のクリスマス会も楽しんで、もうウキウキ状態である。 寝るときにサ..
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Tracked: 2004-12-30 01:02
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