2008年07月15日

素朴な女性

4101302723 一作一作を読み終えながら、心に残るのは、バルサのあたたかさや穏やかさ、そして素朴さなのです。

 バルサは三十過ぎの女性です。≪短槍使いのバルサ≫と名を知られる、凄腕の用心棒です。
 彼女は非常に俊敏です。何にも無駄がなく、いつでも醒めています。殺伐とした世界の真ん中あたりを、時に傷つきそして傷つけながら、すいすいと歩んでいるのです。
 しかし、そうだというのに、彼女は素朴です。彼女を思うとき、その素朴さやあたたかさや穏やかさを、忘れることが誰も出来ない。バルサは魂の奥のほうには激しいものをも持っているのですが、しかし彼女は、落ち着きのある聞きやすい低い声をした、人に安心すら与える女性なのです。

 たいへんな人生を負っている彼女だというのに、この素朴さ、このあたたかさや穏やかさは、どうしてなのでしょう。たくさんの血が流れる世界をすいすいと生きているバルサに、読者のわたしまでもが、信頼の心を持つのはどうしてでしょう。

 上橋 菜穂子 『精霊の守り人』 のシリーズを読んでいます。主人公のバルサがとても魅力的で、わたしはずっと彼女に触れていたい。読み終えてしまうのが残念で、熱心に、そしてちびちび読んでいます。

posted by bkntmrg at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | わたしの本棚から | 更新情報をチェックする
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