2007年06月26日

B 氏

 生きることが、あまりにつらいので、B 氏に思わず話しかけている私でした。
 (ねぇ?)
 ぼんやりとどこかを見つめたままの Brain 氏に、私は自分の存在を思い出させるため、少し大きめの声を出して言うのでした。
 (ねぇ?)
 (うん)
 (ねぇ、B さん)
 (うん。聞いてるよ)
 ぼんやりとどこかを見つめながら、B 氏は返事をくれました。
 (ねぇ、B さん)
 (うん)
 (生きることは)
 (うん)
 (みな誰も)
 (うん)
 (こんなにつらいですか?)
 私は B 氏の表情を見ずに、続けるのでした。
 (生きて、いかなくちゃだめですか?)
 B 氏の心が、ことりと音をたてて動くのが、私にはわかったのですが、しかし私は気づかないふりをするのです。
 (ねぇ?)
 (うん)
 (だめですか)
 私はまた、目をふせました。
 (うーん……)
 B 氏が、戸惑い言葉を失っているのが、私にはわかるのですが、私は気づかないままでいるのです。
 (だめですか?)
 (どうして?)
 すると Brain 氏が、静かに言いました。
 (うーん……。君はどう思うの)
 ずるい、と言い返したい私の心を、止めるのもまた私の心なのです。
 (ずるい)
 でもやっぱり、つい言ってしまう。
 私は PC の電源を落とし、布団をしき、部屋の電気を消して、そして B 氏に言うのでした。
 (おやすみなさい)
 B 氏は、戸惑ったまま、言葉を失ったまま、ぼんやりとどこかを見つめて、こう言いました。
 (うん)
 B 氏は言いました。やさしい声で。
 (おやすみ)


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posted by bkntmrg at 01:39| Comment(3) | TrackBack(0) | つぶやき | 更新情報をチェックする
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